ニセコにて合宿その2

 一貫していたのは、ものごとへのまじめさだろう。私は仕事の関係で遅れてニセコに着いた。ちょうど夕食の準備が始まった頃だ。台所に男子が3人も入って仕込みをしている。台所に入りきらないメンバーはテーブルにコンロなどをセッティングしている。濱谷先生が何やらじゃがいもをゆでていた。間もなくして食事が始まる。みんなよく食べる。若者が景気よく食べるのは見ていて気持ちがいい。ひととおり食べた後に、少し語らいの時間になった。その頃、さきほど濱谷先生がゆでていたじゃがいもが明太子とあえられて絶妙なご馳走として登場。

 腹ごなしにゲームの時間になったが、このゲームがまた真剣勝負だった。そしてゲームが終わったところでスケジュール上では「トークセッション」。リーダー的役割のM君が、話題を提示した。それは人間社会学科の成り立ちについての質問と言う形をとった。自分の学科が新しい学科だということは周知の事実。当然気になることがいろいろある。教員としてコメントをする。話がかみ合う。

続いて、濱谷先生が「今までで一番感動したことや、失敗したことを話してみたらどうだい」と投げかけた。ここからの時間が、私には忘れがたい時間となる。一人ひとりの話が、重厚だった。そうなった理由は、最初の人や二人目の人が真剣に語ったからだ。そしてどの人もしっかり聞く。一人ひとりの話が終わると、何かどっしりとしたものが自分の中に残っていった。大切なことだ。20歳前後の若い時に、真剣に自分を語る。これこそ自己形成のプロセスではないか。全員が、自分のことを吐露した。そして最後に濱谷先生から高校時代の話を聞いた。私は十代の濱谷先生を想像しながら聞いた。来てよかったと思えるゼミ交流合宿。真剣というのはいいものだ。余計なものを消し去り、なにかひとつのことに没頭する。そんな何かがある人間社会学科。ますます好きになりました。