世界を見る目

 休日に書類棚を整理していたら、懐かしいものが出てきました。平成16年度の卒業生名簿です。パラパラとめくっていたら、その中に、前学長 柴田拓二先生の「卒業生に贈る言葉」がありました。ああ、そうだった。この言葉に感動して、大切にとっておいたのだと思い出しました。

 この言葉を、書棚の片隅に眠らせておくのはもったいない。大学で学び始めた人間社会学科の皆さんにこそ、そしてこのブログを訪れてくださった方にも贈りたいと思い、少し長いけれども、再掲させていただくことにします。

 耳を澄ませ!目を凝らせ!新しい時が始まる!

 諸君、卒業・修了おめでとう。

 (中略)

 世紀が変わっても、戦乱と不協和、不況と混迷に明け暮れた、この4年、ようやく地平線上に明るい兆しが見えてきたのではないだろうか。

 今、これまでの力ずくのやり方が有効ではないこと、課題の解決には協調と連帯が必須なことが、事実によって明白に立証されてきている。

 原理主義者たちが、心の鎧を解くまでには時間がかかるかもしれないが、新しい世界のための連帯のシステムづくりを止めることはできないだろう。

 自然と文化の豊かな多様性を護り、自由と公正を両立させ、貧困と疾病を克服するための全人類結束の舞台造りが、これから本格的に始まる。

 そのために、何が必要なのか、何を取り除かなければならないのか。

 世界の若者が、この目的のために、それぞれの専門領域の英知と力を結集して協力する。そんな時が必ず来る。その歴史を諸君が創ることになる。

 耳を澄まして、世界の志ある者達が語り合う声を聴こう。

 目を凝らして、世界の様々な動きに注目しよう。

 感性を磨いて、世界の人々の多様な生き方、それぞれの価値を理解しよう。

 仕事を通じて、新しい理念を形に創り、行動に導くことができるように、

 自分自身を高めることに努めよう。

 人類の未来に、夢と希望を創り出すことが、これからの諸君の仕事なのだ。

 《平成17年3月18日 前学長 柴田拓二先生の「卒業生に贈る言葉」より》